甘いのがいい

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二人で並んで歩く。 肩が少し触れ合う距離。 ドキドキする。 「ねぇ先輩。」 歩きながら沙耶香が話し掛けてきた。 「何?」 私は沙耶香の視線を感じつつも、目を合わせずにいた。 「私…邪魔ですか?」 明るい声とは裏腹の、重い一言。 私は耳を疑った。 「邪魔…?」 「はい。」 顔を上げて沙耶香を見る。 声は強がっていたけど、顔はくしゃっと歪んでいて。 すごく辛そうな表情だった。 「どうして…?」 「だって先輩、あんまり楽しそうじゃないから。」 温い風が吹き付ける。 木々が僅かに葉を揺らす。 不意に沙耶香が右に曲がった。
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