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私は沙耶香の背中に腕を回し、ぎゅっと抱き締める。
「私は…素直になれなくて、うまく気持ちや思いを表現できない。ついついぶっきらぼうな態度をしちゃう。でも…」
顔を上げ、沙耶香の顔も上げさせる。
「嫌いなんかじゃ、ないよ?私だって、沙耶香のこと…好きなんだよ。」
そしてもう一度顔を肩に埋め、強く抱き締める。
「…本当に?」
まだ少し不安気な声で、沙耶香が尋ねてくる。
「今の状況に流されたりしてませんか?」
私はそう聞き返す沙耶香に、申し訳ない思いを抱いた。
私がそうさせたんだね。
自分のことしか考えてなかったから、沙耶香が不安に感じてることに気付かなかったよね。
ごめん。
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