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「流されたりなんてしてない…」
私の不器用な気持ちが伝わるように、私は強く強く抱き締める。
沙耶香の心を締め付けるものが、不安でなく、安心となるように。
「私だって、甘いのがいい…」
精一杯の言葉。
言葉足らずなのは分かっているけど、沙耶香には伝わる。
…こんな私でごめんね?
風が強く吹いた。
私と沙耶香のスカートや髪を揺らし、後ろへ流れていく。
私は沙耶香を離した。
「帰ろっか。」
しっかり沙耶香を見つめて言う。
目元を軽く拭った沙耶香はいつものように元気に答えた。
「はい!」
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