恋愛談義

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「薫ー?」 私は化学室のドアを開けた。 窓際に植えられた木々のおかげで、室内は薄暗く涼しい。 開け放たれた窓の上で、カーテンが揺れている。 ドアを閉め、室の後方に座っている薫のところに向かった。 薫は机に肘をつき、外を眺めている。 「頬杖つくと、顔歪むよ?」 そう言いながら、薫の向かいに座る。 視線を私に向けた薫は、少し呆れた顔をしていた。 「…口うるさい姑。」 そう言いながらも、机のスペースを空けてくれた。 「何でいつも早いの?私だって昼休み入ってすぐ来たのに…。」 私はカフェオレを飲みながら尋ねた。
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