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「私と斗望じゃ速さが違うの。」
薫はオレンジジュースをチュルチュル吸っている。
「速さ?」
サラダのドレッシングをかけながら、私は聞き返した。
薫はベーグルを開けている。
「行動の速さ。」
そう言ってベーグルに噛み付いた。
「…私がノロマみたいじゃん。」
「ノロマじゃん。みたいじゃなくて。」
「うるさいなぁー!」
私はカフェオレを投げる素振りを見せた。
「手出すのは速いんだよねー。」
そう言って口をモゴモゴさせている。
私の怒りなんて気にした風はない。
「そう言えば…相談あるって言ってたじゃん、斗望。何?」
ベーグルの最後の一口を食べ終え、薫が聞いてきた。
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