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「ん…、実は。」
私はサラダとフォークを置き、スカートのポケットから紙を取出し、薫に渡した。
「何?」
薫は受け取り、中を覗いた。
そして顔を上げ、私を見つめた。
「斗望…、これ。」
「そう…。」
その紙は、今朝、下駄箱に入っていた。
見つけた瞬間、あまりの驚きに声を上げた。
「…クラブハウスの裏だよ?絶対じゃんか。」
話している内に食欲をなくした私は、開けていないサンドイッチと食べかけのサラダを紙袋に戻した。
カフェオレだけは手元に残す。
「どうしよう…。」
溜め息を吐きながら、私は机に突っ伏す。
風が優しく髪を撫でる。
すると、頭の上に薫が顎を載せてきた。
「やっぱり斗望はもてるね…。」
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