3153人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっぱり…?」
私はくぐもった声で聞いた。
上で薫が顎を動かす。
「女子校にいたら、斗望みたいなタイプは目につくから。」
「そうかなぁ…。」
私の伸ばした腕の上に、薫の長い髪がかかる。
さらさらと風が入る度に揺れている。
優しい香りが漂う。
「何、考えてんの?…断る理由?」
「んー…」
「女に告られて、びびってんの?」
「違っ、」
「別にいいじゃない、女が女を好きになっても。」
「そうだけど…」
「それとも、」
そこで言葉を切った薫は頭を私の上から起こした。
それに倣った私も上体を起こす。
「偏見でもあるわけ?」
最初のコメントを投稿しよう!