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「…斗望らしいね。」
そう言って、薫はひっそり笑った。
何だか…切ない笑顔だった。
「大丈夫、誰かと付き合っても、お昼は薫と食べるから。」
私は明るく薫に言った。
薫も笑う。
「別に、食べてあげてもいいけど?」
「何それー!」
薫の揶揄に不満の声を漏らす。
昼休み終了のチャイムが鳴った。
「あっ…そろそろ帰んなきゃね。」
私は薫の手から、空のオレンジジュースを取り上げ、ごみ箱に投げ入れた。
カフェオレのパックも投げる。
両方とも、バスケのゴールにボールが入るように吸い込まれた。
「ナイッシュー。」
一人、歓喜の声を上げた。
「そだ、薫。」
私は薫に向き直った。
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