3153人が本棚に入れています
本棚に追加
ピンポーン
ある日の夜、もう深夜と言っていい時間にチャイムが鳴った。
変な人間なら無視だ。
とりあえず確認しようと、覗き窓から見る。
…伊東。
はぁと溜め息を吐く。
すると、再度、控えめにチャイムが鳴る。
煩わしい。
すると、ドアが叩かれた。
「…秋留さん、います?」
思うより響く廊下だから気兼ねをしてか、必死な割には小さな声だった。
煩わしい。
再度叩かれた。
「秋留さん、夜雨です。いませんか?」
煩わしい煩わしい煩わしい煩わしい煩わしい…
カチャ
「………とりあえず入れば。」
何で開けたのか分からない。
煩わしいのに。
嫌悪感を感じているのに。
最初のコメントを投稿しよう!