3153人が本棚に入れています
本棚に追加
見るものなどない筈なのに、伊東はジロジロと部屋を見回す。
そしてやたらと話し掛けてくる。
「物少ないんですね。」
「その鏡、どこで買ったんですか?お洒落ー。」
「濃い緑が好きな色なんですか?」
「動物のカレンダーなんて、癒されますね。」
詮索する人間も嫌いだ。
うるさい伊東を黙らせようと、冷蔵庫から缶ビールを取出し、伊東に差し出す。
少し意外そうな顔をして、それを受け取った。
「一人で飲んでるんですか?」
普通、聞くか。
質問には答えず、代わりにビールを喉に流し込む。
テーブルを挟んだ向かいで、伊東もビールを飲む。
最初のコメントを投稿しよう!