3153人が本棚に入れています
本棚に追加
眠れない。
隣に誰か別の人間がいるというのは、重苦しい。
仕方なく起き上がり、寝場所をソファに移す。
すると易々と眠りに吸い込まれた。
いつもと違う背中の感触も、少しだけ許せた。
しかし、2時間ほどしたところで、ふと目覚めた。
頭はすっきりと澄んでいる。
ソファから立ち上がり、寝室に向かう。
ベッドは伊東に占領され、気持ち良さそうに眠っていた。
この女は怖くないのか。
何も知らない隣の住人のベッドで、どうしてこう眠れるのか。
この部屋の主人はこっちなのに。
どっちが主人か分からない。
この疎外感と焦燥感も分からない。
最初のコメントを投稿しよう!