3153人が本棚に入れています
本棚に追加
「起きて。」
再度伊東を促し、台所に向かう。
朝食の準備をしていると、洗面所から水の音がした。
部屋に朝食を並べ終わる頃、伊東が戻ってきた。
髪も濡れている。
「おいしそうー。」
伊東が歓声を上げた。
「早く食べましょ!」
「一人で食べて。」
そう答えて、洗面所に向かおうとする。
すると伊東が呼び止めた。
「秋留さん、待って!」
気にせず歩く。
再度呼び止めた。
「待って!」
その瞬間、腕を掴まれた。
廊下に二人、立ち止まる。
「…秋留さんが戻るの待ってますから、一緒に食べましょ?」
煩わしい。
そうしたくないから言ったんだ。
「嫌。」
伊東の腕を振り払い、洗面所に入る。
ドアを閉めた。
最初のコメントを投稿しよう!