3153人が本棚に入れています
本棚に追加
髪も流し、洗面所のドアを開けた。
すると伊東がその瞳に涙と冷えた感情を湛えて立っていた。
「何でゆっくり顔洗えるんですか…?」
伊東を無視し、部屋に戻る。
「何とか言って下さいよ!」
そう叫んで壁を叩いた。
驚きもせず、鏡を覗き込む。
首に赤い痕を見つけた。
「秋留さん!」
伊東が叫ぶ。
「何なの?」
「えっ…?」
洗面所の前にへたりこんだ伊東を見下ろしながら言う。
「何なの?じゃあ、どうなりたいの?また抱いてほしいの?好きだと言ってほしいの?」
冷たく言い放つ。
「すぐそうやって何でも欲しがって甘える人間は…大嫌いなんだよ。」
最初のコメントを投稿しよう!