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そのいらつきは、ベッドに寝転がっても続いていた。
何度も寝返りをうつ。
結局、付き合っての記念日はいつだっけ。
最初の年は毎月お祝いをしていた。
でも年々、回数は減っていく。
一年、二年、三年…今、付き合って六年ぐらい…?かな。
「あー…分かんない。」
そろそろのはず。
考えられない。
埒のあかない思考を止め、とりあえず今日は寝ることにした。
いつの間にか、キッチンの水音は止んでいた。
夢を見た。
夢の中で阿純が泣いていた。
もちろん、泣かせていたのは私だった。
起きると、私に泣いた跡があった。
涙が乾いていた。
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