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部屋を出て、キッチンに向かう。
少し温かさが漂っていた。
テーブルの上には、オムレツとサラダの盛られた皿があり、コーヒーメーカーからは湯気が上がっていた。
少し呆然とした。
朝に弱い私に代わって、阿純はいつも朝食を用意してくれる。
私はそれに甘えるだけ。
なのに私は、二人の記念日すら覚えていない。
これでいい筈なんてない。
私は…薄情者だ。
食後、シンクに皿を置き、代わりに水切りからグラスをあげる。
水を入れ、隅のミニバラにかけようと向かう。
しかし、すでに土は濡れていて、水が十分にかけられていた。
あんな言ってたくせに、私が大切にしているものを、きちんと大切にしてくれる。
なのに私は阿純を大切にしていない。
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