思い出せない

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「阿純、起きてたの?」 私はドアの前に立ち尽くして、阿純を見つめた。 阿純はベッドから上半身を起こし、私を見つめ返す。 「何が『ごめんね』なの?」 強く私を見据えながら、阿純が尋ねてきた。 「あっ、それは…」 「別れようって意味?」 思いがけない言葉に、私は驚いた。 ごくりと生唾を飲み込む。 「違うよ、そうじゃなくて、」 「ねぇ葵、」 私の言葉を遮って、阿純が言葉を重ねてきた。 そして、またもや思いがけない言葉を口にした。 「今日が何の日か、分かってる?」 「えっ?」
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