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「今日?」
「そう。」
「…」
「覚えてるわけ、ないか。」
阿純はため息を吐きながらベッドからゆっくり抜け出した。
そして壁際の机に向かい、卓上カレンダーと堅い表紙の本を数冊持って、床に座った。
私はドアの前から動けずにいた。
「こっち座って、葵。」
阿純の言葉でようやく体が動き、床に座る。
阿純に目をやると、カレンダーを見つめていた。
よく見ると、今日の日付に赤く丸が付いていて、小さく書き込みがしてあった―。
《葵と 6年目》
今日、だった。
今日、で6年だった。
「6年目に振られるなんて、今までなんだったんだろうね。」
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