思い出せない

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「思い出せないことは二人で思い出せばいい。ただ…」 ゆっくり唇を離して私は阿純の耳に囁いた。 「この気持ちを忘れないでいればいい、よね。」 「うん。」 にっこりと泣き笑いながら阿純が返事をして、目を閉じた。 私は瞼をゆっくりと閉じながら、阿純にキスをした。 「愛してる…」 そう呟いて。 朝食を二人で作って、並んで食べる。 これからは私も作るよ。 朝の楽しみがあれば、朝に強くなれそうだから。 トーストをかじっていると、阿純がコーヒーをカップに注ぎながら言った。 「今夜、早く仕事終わらせるから、ご飯食べに行かない?」
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