背中の爪の痕

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「やめてよっ…理玖、」 恥ずかしそうに顔を逸らして、後始末をする。 互いに制服を正し、カバンにノートとテキスト、ペンケースなんかを詰め込む。 ちっ、何で学校でさんざん勉強したのに、塾にまで行って勉強しなきゃいけないんだよ…。 それよりまだ志帆とイイコトしてたいなぁ。 「ねぇ、塾さぼろ?」 「ヤダ」 素早く身仕度した志帆は鏡を覗き込み、顔と髪のチェックをしている。 「テスト近いし、私、明日の数学当たってるし。それに…理玖みたいにデキのいい子じゃないもん。」 拗ねた口調で言う。 ベッドから出ると性格変わるんだよね、この子。
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