背中の爪の痕

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「勉強なら、私が教えるのに。」 バスを待つ間に、志帆に言ってみた。 「ヤダ」 「何で。」 「親のため。」 「親?」 「そ、だって安心するでしょ?塾に行っとけば。」 「あんさ…」 呆れて何も言えなかったところに、さらに志帆が続けた。 「それに、なんか悔しいし。理玖に教わんの。」 えっ…? 「幼なじみでずっと同じに育ってきたのに、デキがこうも違うと、やじゃん。」 …。 「…とか考えてんの!ほら、バス来た。」 志帆は顔を少し赤くして、近づいてきたバスを見つめる。 「負けず嫌い。」 「ふん、見とけよ今度のテスト!」 こういう、自分の気持ちを素直に言うのがまたかわいい。
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