3153人が本棚に入れています
本棚に追加
「勉強なら、私が教えるのに。」
バスを待つ間に、志帆に言ってみた。
「ヤダ」
「何で。」
「親のため。」
「親?」
「そ、だって安心するでしょ?塾に行っとけば。」
「あんさ…」
呆れて何も言えなかったところに、さらに志帆が続けた。
「それに、なんか悔しいし。理玖に教わんの。」
えっ…?
「幼なじみでずっと同じに育ってきたのに、デキがこうも違うと、やじゃん。」
…。
「…とか考えてんの!ほら、バス来た。」
志帆は顔を少し赤くして、近づいてきたバスを見つめる。
「負けず嫌い。」
「ふん、見とけよ今度のテスト!」
こういう、自分の気持ちを素直に言うのがまたかわいい。
最初のコメントを投稿しよう!