背中の爪の痕

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「あんたもマセタガキでしょうが。」 「うまいこと言うねー麗ちゃん。」 私は痕なんか気にせず水着を着て、キャップとゴーグルを持って出口に向かう。 まだ痕残ってた…。 キスマークは大分消えたから、安心してたのに。 まっ、いいけど。 だって志帆が残したから。 眩しい太陽が照りつける中、体育教師を待つ。 「痕見える?」 「何とか隠れてる。」 「まぁ構わないけど、見えても。」 「理玖、」 「これは、私が“誰かの”って印なんだから。麗ちゃんごめんねー?」 「バカなこと言って…。」 すると先生がやって来た。 「さぁ、泳ぎますかー。」 私は志帆のもの。 そして志帆は私のもの。
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