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「ねぇねぇ、柊子、これ見て!」
「なに、鈴華?」
「じゃーん!」
丸い物体を目の前に突き出し、上機嫌で笑っている。
突き出された面には、“萩野”の文字。
「…はんこ?」
「うん♪」
「でも、何で“萩野”なの?鈴華の名字、“木村”じゃん。」
「んもー、柊子分かってない!」
向かい合わせに座った、鈴華がきらきらした瞳ではんこを見つめる。
両手にそっと包んで。
「…大地くん?」
「そう!」
「何かのおまじない?」
「まぁね。今度から手紙書く時にこれ使うから♪気分は結婚、新婚だから!近付けそうじゃない?」
「…」
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