3153人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、誰にも言えないのってすごく辛い。
私だって女の子だから、好きな人の話で盛り上がりたい。
ときめいた瞬間とか、見惚れた瞬間とか、そういうのをキャアキャア話したい。
―でも私の好きな人は女の子。
クラスメイト。
同性。
もし話したら奇異な目で見られる。
私は気にしないけど、あの人を巻き込みたくない。
障害だらけの想い。
でも、でも…
欲がある。
鈴華みたいに、名字のはんこを持って恋人気分、結婚気分を味わいたい。
「…やっぱり行く。」
教室の片隅の彼女を見つめながらそう呟いた瞬間、鈴華が勢いよく私に向き直った。
最初のコメントを投稿しよう!