はんこのちから

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帰りに鈴華と雑貨屋に寄り、綺麗に彩られたはんこを見る。 自分の好きな柄のはんこに予めある名前をはめ込むらしい。 その中から、私は黒に銀と青の筋の入ったシンプルなものを選んだ。 「これ、お願いします。」 「かしこまりました。お名前は?」 「…“安藤”で。」 「かしこまりました。できましたらお呼びしますね。」 店員さんが優しく微笑んでくれて、私までほっとした。 そしてはんこを眺めている鈴華のところへ行く。 「あれ、かっこよかった。」 「でしょ。」 それからしばらくはんこを見ながら騒いでいると店員さんに呼ばれた。 「お待たせしました。」 きれいに包まれたはんこを渡してくれる。
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