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「鈴華おはよ。」
並んで教室に入り、席に着く。
「はんこ、持ってきた?」
「うん。」
「じゃさ、後で手紙回すからそれに押してね。」
「…うん。」
ひらひらと手を振って鈴華は、目ざとく大地くんが入ってきたのを見つけて話し掛けに行った。
するとその後ろから、瞳が入ってくるのが見えた。
心拍数が跳ね上がる。
じっと見つめていたからか、瞳が私を見る。
「柊子、おはよう。」
「…おはよ、瞳。」
もっとその声を聞きたいと思ったが、すぐに別のクラスメイトと話し始めた。
(あー…)
惜し気に見たが、瞳の目には私は映っていなかった。
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