3153人が本棚に入れています
本棚に追加
連日降り続く雨が、密かに秋の気配を連れてきていた。
夜になっても降り止まない雨は、しっとりと世の中を濡らしていく。
窓を閉めることを嫌う由寿の部屋には、雨音と風が満ちていた。
窓際に寄せられた寝台に、二人で横たわる。
時折強く吹く風で、カーテンが頭上でひらひらと翻る。
「ん…」
唇を軽く触れ合わせる。
そこだけ熱い。
「雛、も少し…」
すぐに離した唇を求めて、由寿が唇を指で撫でた。
私は再び唇を重ねる。
今度は深く深く口づける。
頭を掻き抱き、幾度も角度を変えて舌を絡ませる。
次第に息は上がり、欲の上限を越える。
最初のコメントを投稿しよう!