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「誰のとこにいたの?」
不敵な笑みを浮かべて、しっかり私を見据えながら瑞樹さんが尋ねる。
が、それを無視して中に上がる。
「雛、」
呼び止める声も耳には入らない。
玄関から続く廊下を歩き、上階へと向かう階段を上る。
ふと、奥から話し声がした。
「またやってる…。」
憚ることをしない両親の喧嘩声が寝室から漏れ聞こえていた。
「同性を好きになるやつは、家庭環境が悪いっていうしね。な、雛。」
不意に聞こえた声に驚き、後ろを振り返る。
すると瑞樹さんが階段を上ってきていた。
「そう思わない?」
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