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「ただ肌を重ねるだけじゃなくって、言葉も重ねたい。もっともっと、由寿に近付きたい…そう伝えたかった。」
すっと、由寿の指が頬を撫でる。
「…お互いに苦しんで溜め込んで、悩んでたんだね?」
「ん、」
「涙、」
「えっ?」
「本当に筋ってできるんだ…」
指が滑らかに動き、筋を辿る。
「由寿、たくさん話そう?聞いてほしいことや言いたいことがたくさんあるから。」
「うん、話そう雛。体のつながりだけじゃなくって、心のつながりも深いものにしていこ?」
一陣の強い風が吹き抜ける。
よろけた由寿が私の腕を掴んだ。
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