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布巾を受け取り、テーブルセッティングを私がする間に、泉がシチューを皿に注ぎ、サラダを盛っていく。
それを私がテーブルに並べ、最後にワイングラスとボトルを置いた。
「泉、早く座ってよ。」
「はいはい。」
お母さんと子どもの会話みたいな会話をして、私は思わず笑ってしまう。
水道を止める音がして、泉が部屋に来る。
「泉、グラス出して。ワイン注ぐ。」
私はボトルを片手に、座った泉を促す。
「ありがと、少しでいいからね。」
「そんな遠慮せずに。」
トクトク、と少し黄色がかった透明の液体をグラスに注ぐ。
芳醇な香りが漂う。
でも、お酒に弱い泉はほんの少量を入れただけで、もういいと首を振った。
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