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「そんなんじゃ飲んだ内に入らへんで。」
「片付けもあるし、そんなに飲めないからいいの。」
今度は私が、と泉がボトルを持ち、私のグラスに注ぐ。
「穂乃香は強いよねー。」
「私は普通やで?泉が弱いだけ。」
適量を注がれたワインが、グラスの中で少しだけ揺れた。
二人でグラスを持ち上げ、そっと傾け縁をあてる。
「「乾杯。」」
こくり、と可愛らしくワインを飲む泉の傍らで私は、ごくごくと飲み干した。
「っはぁー!この白、おいしい。」
「穂乃香、ワインはこれ1本しかないからね?」
「はぁい。」
空のグラスを置き、代わりに銀色に輝くスプーンを持った。
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