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そう言って、泉は顔を胸に押しつけてきた。
私はゆっくりと髪を撫でる。
「私はずっと泉の安定剤やから。何も不安に思わんくていいんやで。」
小さく泉が笑う。
「んー…ありがと、穂乃香。」
そして軽くキスをしてきた。
「…ずっと隣におるから。」
しかし、その呟きを泉は聞かずに眠っていた。
規則正しい寝息が聞こえる。
「ほんまに寝んの早いし…。」
この小言も泉には届かなかった。
私は右手を伸ばし、泉の肩にまでしっかりと毛布を掛けた。
それだけで泉はぎゅっと抱き付いてくる。
「泉も私の安定剤やで。」
そして私も眠りに落ちた。
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