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「ねぇ芹花、」
私は呆れた溜め息をつく。
「私達、もう高校生だよ?いつまでもそんな小さい時の約束に縛られてなきゃならない理由でもある?」
冷たい態度を取ると、芹花はしゅんとした。
私は知らん顔して、頬杖をつき外を見る。
教室に人が集まり、にぎやかになっても芹花は私の席の横につっ立っていた。
「はよーす郁。」
がたがたと勢いよく前の席に座る男が来た。
「おはよ侑登。」
「芹花ちゃんもおはよ。」
気まずい雰囲気を意に介した風もなく、侑登がにこやかに芹花に話し掛ける。
「…」
芹花は無言のまま。
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