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「…っはぁはぁ、」
流れる汗はそのままに、息を整える。
「そのまま流してー。」
遠く、マネージャーの声がする。
私は緩やかにスピードを落とし、歩く程の速さになりそのままトラックの中を歩く。
「次、短距離タイムとるよー!」
またマネージャーの声がした。
数人がスタートラインに立つのが見えた。
「侑登、ごめん。」
校門近くのベンチに座っていた侑登に駆け寄る。
こういう時はいつも音楽を聴いているから、私は侑登の腕を触った。
それに気付いた侑登が耳からイヤホンを外す。
「おっ来たか。」
にかっと笑い、暗闇に侑登の白い歯が浮かぶ。
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