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そしてゆっくり立ち上がり、大きく伸びをした。
「待ちくたびれた?」
「ううん、郁を待つの慣れてるからな。」
「どういう意味よ!」
「べっつにー。」
軽く叩こうとした手をするりとかわした侑登が、私の右手を掴む。
「手出すの本当早ぇ。」
小さく笑いながら、そのまま私の手を引いて歩きだす。
鼓動が高鳴る。
「んで、何買いに行くんだよ。」
校門を抜け、学校前の道を歩く。
下には落ち葉が積もり、踏む度にカサカサと音を立てる。
「ん?クリスマスプレゼント。」
「へぇ。」
「…誰にって聞かないんだ。」
「何だよ、聞いてほしいのか?」
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