3153人が本棚に入れています
本棚に追加
/375ページ
CALLINGの字が消えては表れる。
途端にさっきのやり取りを思い出した私は、気まずさを覚えて電話を無視した。
(…止まんない。)
しばらく携帯を見つめたまま、私は道端に立ち尽くした。
CALLINGはまだ消えない。
意を決して出ようと携帯を開けたところで、振動は止まった。
画面には電話のマークが表示された。
「何だろ…。」
画面を閉じ、携帯をポケットに入れようとしたら再び震え始めた。
今度もまた芹花からの電話だ。
「…出る、かな。」
そう呟いて、私は通話ボタンを押した。
「もしもし、」
私の声が夜の静かな空間に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!