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『うん、待ってるから。』
「じゃ。」
素早く電話を切り、携帯をポケットに入れる。
さっきまでのはしゃいだ気分はすっかり消え失せ、私は家に入った。
部屋に上がり、手早く制服を脱ぎ着替えをする。
携帯だけを持ち、下に降りて、キッチンにいる母に声をかける。
「お母さん、芹花のとこ行ってくる。」
「芹ちゃんとこ?ご飯はどうするの?」
「そんなに遅くならないから、残しといてくれる?」
「いいわよ。それにしても…」
俎板から顔を上げた母が、少し不思議な顔をした。
「随分久しぶりじゃない?芹ちゃんとこに郁が行くの。」
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