永遠に三角

14/21

3153人が本棚に入れています
本棚に追加
/375ページ
静かに階段を登り、上階の芹花の部屋へと向かう。 扉には、昔見たものと同じリースが掛かっていた。 木の蔓を編み込み、花やリボンが組み込まれた、芹花らしいリース。 芹花より先に扉を開け中に入る。 そこも昔嗅いだものと同じ匂いで満ちていた。 花の甘い匂い。 窓辺にはポプリの小瓶が置いてあり、その蓋は外されていた。 一気に昔に記憶が遡る。 パタン、と扉の閉まる音で私は引き戻された。 「とりあえず座って?何か飲む?」 私を中央の白いテーブルにつかせ、クッションを渡しながら芹花が尋ねる。 クッションもリボンやレースで縁取られている。
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3153人が本棚に入れています
本棚に追加