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「急にごめんね。」
『いいって。』
涙を拭きながら、でもまた涙が零れる。
『…目、腫らすなよ?』
「ん。じゃ、明日ね。」
『おう。おやすみ。』
「おやすみ。」
通話終了ボタンを押してベッドに寝転がる。
「ふぅ…。」
堪えていた息を吐き出す。
涙は後から後から流れ落ちる。
私だって、芹花のこと好きだよ。
でも…それはやっぱり恋愛感情じゃない。
友達のままでいたいから。
今まで冷たくしてごめん。
これが私のできる精一杯のことだから。
「…目、冷やそう。」
私はベッドから立ち上がり、部屋を出て階下に向かった。
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