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立ち上がって、巳悠さんを連れて部屋に向かう。
「ごめんね、銀。」
「いいですよ、気分転換に動きたかったし。」
頭一つ分小さい巳悠さんの髪をそっと撫でる。
照れ笑いとも苦笑いとも、何とも言えない表情を浮かべた巳悠さんが見上げる。
…巳悠さんの気持ちが手にとるように分かる。
《修論で忙しい時に、こんなことで煩わせてごめんね。》
きっとこんなことを考えている。
「…って、見事に散らかってますね。」
「自分でも探してみたんだけど、余計に分かんなくなって。」
巳悠さんの部屋はいつも整頓されているのに、今はあちこちに服や小物なんかが散らばっていた。
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