あなたがくれたもの

霙から雪になる

「いつもの棚に置いたはずなんですけど…」

棚を少し探してみるがない。

「よね？んー…どこにやったんだろう。」

巳悠さんもがさがさと探し始めた。
しかしなかなか見つからない。

「ｸﾛｰｾﾞｯﾄですかね、やっぱり。」
「他のものと一緒にしまったのかもしんないね。」

そして二人で、奥にあるｳｫｰｸｲﾝｸﾛｰｾﾞｯﾄを探す。
巳悠さんのｺｰﾄやｽｰﾂがきれいに掛けられている。

「巳悠さんあります？」
「んー…ないみた、あっ、あった！」
「えっ！」
「えへへ、そうだった。」

ｸﾛｰｾﾞｯﾄから出て、反対部分を探していた巳悠さんの方に向かう。
巳悠さんは、片手に濃青のﾏﾌﾗｰを持ち、顔をｸﾛｰｾﾞｯﾄから出していた。