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「タグがとれそうだったから、修繕しようと思って裁縫箱近くに他のと一緒に置いてたんだった…。」
えへへ、と巳悠さんが笑う。
「良かった、無事に見つかって。」
そのまま巳悠さんを抱き締める。
「ちょ、銀…」
巳悠さんの髪に顔を埋める。
「し、修論は…?」
「まだ仕上がってません。」
「提出、近いんでしょ?」
「はい。」
「じゃあ、早くやんなきゃね?」
「…」
顔を離して巳悠さんを覗き込むと、すごく切なそうな顔をしていた。
どうせまた、
《銀の迷惑になっちゃいけない》
とか考えているに違いない。
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