霙から雪になる

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「あっ、あっ、あっ、銀……」 動きに合わせて、巳悠さんは切れ切れに声を上げながら名前も呼ぶ。 「銀……銀……」 「…イイです、か…?」 顎を高く上げて、こくこくと頭を振る。 それを見て嬉しくなり、さらに奥まで、さらに速く攻める。 「…私だけを、見てたら……いいんですっ…巳悠さん……」 「……んん、ぁあ、銀、…あっ、はっ、あぁんっっっ!!!」 小造りの顔が切なげに歪み、線の細い躰が弓なりに撓む。 最後に小さく叫んで、巳悠さんの上に倒れこむ。 「…っはぁはぁはぁ、」 「はぁ、はぁ、はぁ…」 荒い呼吸が二つ、部屋に響く。
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