霙から雪になる

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「どうして?」 二人で窓の外の降りしきる雪を見つめる。 「…永遠じゃないからです。」 「?」 窓から離れ、散らばった服を集める。 クローゼットからパジャマを取出し、巳悠さんに着せる。 「永遠じゃないから、ってどういうこと?」 おとなしくされるがままになりながら、巳悠さんは尋ねてきた。 「だから雪が綺麗なんですよ。…この世で一番綺麗なものの条件って分かります?」 「え?」 着せ終わると、巳悠さんの鼻にキスを落とす。 「…儚いということですよ。」 「儚い?」 「永遠のもので綺麗なものはありませんからね。」
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