I hate me,but you love me.

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不意に予鈴が鳴った。 「…っと、今日はここまで。」 そう言いながら、珠梨さんは掌を離し、てきぱきとお弁当箱を片付け始めた。 キュッという音が聞こえてきそうなぐらいに、しっかりと包みの端を結んだ珠梨さんが、笑顔で私を見てきた。 「ねぇ、今日一緒に帰らない?方向どっち?」 「え…あっ、地下鉄の駅だけど、」 「同じだー。」 さらに笑って、右手を出してきた。 「ご飯も一緒に食べたし、下校も一緒にするから、もう友達だね!握手!」 呆気に取られたまま、私も右手を出した。 珠梨さんがしっかりと握ってくる。 「じゃあ、紋歌って呼んでもいい?」
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