I hate me,but you love me.

8/16
前へ
/375ページ
次へ
「ごめん、お待たせ!」 その言葉と同時に、背中に温かな重みを感じた。 「わっ!」 その重みは、やっぱり珠梨さんだった。 「…驚いた。」 「ほんと?」 私より少し高い目線から、珠梨さんが覗き込んできた。 「あんまり、紋歌って顔に出さないみたいだから。」 「……」 「あっ!ごめん…」 しまったという顔になった珠梨さんを見ながら首を振った。 「いいの…。」 並んで校門を出る。 同じ制服の女の子たちが、楽しそうにはしゃぎながら歩いている。 頭上には咲きかけの桜が浮いていた。
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3153人が本棚に入れています
本棚に追加