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でも、離れていった温もりが惜しくて。
「あっ…」
「え？」
こんな感覚は初めてで。
「嫌じゃない、よ…。」
「紋歌？」
真っ赤になった私の顔を覗き込んだ珠梨さんが、ぱっと顔を明るくする。
そして再び右手に左手が滑り込んできた。
「紋歌かわいい。やっぱ好きだなぁ。」
その言葉にさらに顔を赤らめる。
くすくす笑いが隣から聞こえてきた。
「ねぇ、記念にｱｲｽでも食べに行かない？」
そう言って手をぐいっと引かれた。
「駅の近くに美味しいお店があるんだって！」
珠梨さんの楽しそうな笑顔につられて私も笑みを浮かべる。
「うん。」
そして二人で駆け出した。
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