わがままなモーニングコール

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『うん、』 「そっか…」 『どした?』 そんな気怠い声がして、電話の向こうの空気が動く気配がする。 多分、起き上がったはず。 「ごめん…起こしちゃって。」 『いいって。それより、』 声の反響具合も変わっていく。 小さく、瓶のぶつかる音がかちゃかちゃと聞こえた。 『朝、起こしてほしいの?』 呆れたような楽しんでいるような声がした。 きっと笑っている。 「お願いしていい?」 『何時がいい?』 時間を尋ねてきたら、それが“了解”の合図。 思わず安堵の息が出る。 「あーん、茉理ありがとう!助かるー。」
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