わがままなモーニングコール

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くすっと茉理が笑う雰囲気。 目覚まし時計はちゃんと持ってる。 最新ハイテク携帯にはもちろん、目覚まし機能もある。 でもやっぱり。 茉理の声で起きたい。 だから、朝早い時はきまって茉理にモーニングコールを頼む。 茉理が朝早いバイトだというのを、こっそり利用して。 茉理は“都合いいから”ぐらいしか思っていないかもしれないけど。 私は違うからね? 『何かあるの?』 「うん、急に東京にね。」 また電話の向こうの気配が変わる。 ミネラルウォーターのボトルでも持って、ベッドに潜り込んだのかな。 『大変だね。』 「楽勝。」 籠もった声になる。 ふたりで潜ったベッドが甦る。
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