『あなた』

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「愛海っ…」 突然のことに固まる。 「潤さん…」 回された腕が温かく震えていた。 愛海、 それは 私との別れが辛いから? 愛海、 ねぇ。 「愛海、」 「潤さん、」 抱き締め返そうとした瞬間、愛海が腕を離した。 「社会人、頑張って下さいね。」 堪えきれなかった涙が、愛海の綺麗な瞳から滑り落ちた。 私は悟った。 私たちは恋人じゃなかったけど、お互い想いあってた。 愛海はそれだけで良かったんだね。 「愛海に会えて良かったよ。サークルよろしくね。」 涙を拭いた愛海に笑いかける。 「はい。」 晴れやかな笑顔で愛海が答える。
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