quietism

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「好きなだけ勉強に集中して。…でも、」 振り返って、ピアノの傍に立つ渡良瀬さんに言った。 「息抜きでもいいから、私は音楽を楽しんでほしいと思ってるわ。」 渡良瀬さんの瞳が私を見つめる。 「まぁ、私もリラックスしなきゃね?」 「おはようございます。」 「恩田先生、おはようございます。」 音楽準備室に恩田先生が入ってきた。 「今日も頑張って下さいね、香芝先生。」 「はい、ありがとうございます。」 恩田先生はにっこりと笑ってくれて、それにつられて私も笑った。 「恩田先生、」 恩田先生が席に着くのを見計らって、私は切り出した。
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